告 白 町田 康

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面白かった〜〜(^∇^)

河内音頭にこんな面白い物語が歌い込まれているとは知らあやあかなかった。自分の無知を恥じました。

蛇足だが、海外でも殺人者を歌った歌に三文オペラ(ジャックザナイフ?)があるが、これまたあのエラ・フィッツジェラルドが抜群のリズム感で最高にオシャレな感じで唄っているのは有名だ。
そうそう、この曲は伊藤英明が熱演した『悪の教典』の蓮見が生徒を殺しながら吹いていた口笛の曲でもある。

もとい、『告白』の読み始めは、河内弁?にブロックされてしまい、読み進むのに結構手間取った。が慣れると逆にそれが心地よく独特のリズムと質感を持って読み手に迫ってくる。

最初、私はその拘りの強さと、必ず生じる思考と言葉との大きなズレは、彼、熊太郎に発達障害があるからじゃないかと疑ってかかった。さしずめ、アスペルガーADHDだ。

そして、次に幻視を見たり、幻聴を聞いたりする症状が少し統合失調症もあるのかしらと素人ながらに思い、

けれとも、次第にそんなことはどうでも良くなり、普通の人ならば、多分、普通派の駒太郎に同調するだろうところ、思いっきり熊太郎にシンパシーを感じてしまった自分は最後の最後まで熊太郎を応援した!
途中、
なんでここで又騙されるの⁉️
なんで又ここで許しちゃうの⁉️

と幾度も床を踵でガンガンしたが、

でも熊太郎の気持ちの方が分かるのだ。

「もし世の女性に、結婚するなら、熊太郎・駒太郎のどっち?」

と聞いたなら、9割は駒太郎を選ぶんじゃないかな。よそ様から見りゃ、一生を通じ、みじめで不真面目でみすぼらしく、凄惨なエンディングだった熊太郎の人生なんてと考えるのが普通だ。
家庭を普通に大切にし、安定した一生を送っただろう駒太郎をチョイスする人が多いはず。

でも、飛び抜けた魂の自由度合いが全然熊太郎の方が高かった!!
一度きりしかない人生なんだから、面白い方がいいじゃん!!
と私は思った。

インフルエンザのお陰でこんな素敵な読書タイムが持ててありがたかった。(^-^)