楽園 上下 宮部みゆき

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あー面白かった。

そして、あー泣けました。

私にも、もう大きいですが、娘が二人います。今でも本当に可愛い我が子です。

 

『楽園』には、12歳の息子を亡くした敏子さんという、それはそれは、優しさに溢れた「おばさん」風なお母さんが出てきます。

この敏子さんにとても感情移入してしまいました。彼女が泣く場面では、必ず一緒になって涙していた私。💧

 

この敏子さんの亡くなった息子さんの等(ひとし)君に不思議な能力があるらしいことを調べていくうちに、別の事件に巻き込まれていく主人公の前畑滋子。

この滋子さんは、あの『模倣犯』で活躍した滋子です。だからと言って『模倣犯』を読んだことがなくても、全く問題はありません。

 

人情味豊かな旦那の昭二さんや秋津刑事に支えられ、またまた事件を真相究明に導くのです。

 

最初の数ページを読むと、どうなるの?どうして?とどんどん先の展開が気になって仕方なくなる、読者の脳を掴んで離さない宮部さんの巧い筆運びに、気づけば、終章を読んでいました。

 

日常に疲れた貴方、平坦な毎日に少しスパイスを求めたい貴方にオススメです!! 

 

雪花の虎 東村アキコ

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私は、拘りの強い性格なので、はまると飽きるということがなかなか無い。

最近はまってしまったのが、東村アキコさんだ。彼女が(彼女自身も歴史苦手らしい)初めて、歴史物にチャレンジしたということで、貸してくれるという友達から借りて読んだ!

あっという間に、二巻読み終えた。

そして、自分の物として揃えておきたくて、すぐに二巻とも購入した!

絵がとにかく素敵で、ちょっとした目の向きや大きさや口の開き方などで、臨場感溢れる、人と人の感情の行き交いを感じられる!

そしてメリハリのあるストーリー展開。
一応歴史もかつて勉強して大まかな流れは知っていたはずなのに、次は?次は?の、このワクワク感!
お上手なのだ!

あの名将、『上杉謙信が女だったかも…』という仮定に基づいて、些か強引に読み手を16世紀に引きずり戻す。

けれども、彼女が提示した根拠と話の運びと画力で、単純な私などは、そうかもそうかもと思わずにはいられない!

楽しめること間違いなし!
是非みなさんに読んで欲しい本です!!!

告 白 町田 康

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面白かった〜〜(^∇^)

河内音頭にこんな面白い物語が歌い込まれているとは知らあやあかなかった。自分の無知を恥じました。

蛇足だが、海外でも殺人者を歌った歌に三文オペラ(ジャックザナイフ?)があるが、これまたあのエラ・フィッツジェラルドが抜群のリズム感で最高にオシャレな感じで唄っているのは有名だ。
そうそう、この曲は伊藤英明が熱演した『悪の教典』の蓮見が生徒を殺しながら吹いていた口笛の曲でもある。

もとい、『告白』の読み始めは、河内弁?にブロックされてしまい、読み進むのに結構手間取った。が慣れると逆にそれが心地よく独特のリズムと質感を持って読み手に迫ってくる。

最初、私はその拘りの強さと、必ず生じる思考と言葉との大きなズレは、彼、熊太郎に発達障害があるからじゃないかと疑ってかかった。さしずめ、アスペルガーADHDだ。

そして、次に幻視を見たり、幻聴を聞いたりする症状が少し統合失調症もあるのかしらと素人ながらに思い、

けれとも、次第にそんなことはどうでも良くなり、普通の人ならば、多分、普通派の駒太郎に同調するだろうところ、思いっきり熊太郎にシンパシーを感じてしまった自分は最後の最後まで熊太郎を応援した!
途中、
なんでここで又騙されるの⁉️
なんで又ここで許しちゃうの⁉️

と幾度も床を踵でガンガンしたが、

でも熊太郎の気持ちの方が分かるのだ。

「もし世の女性に、結婚するなら、熊太郎・駒太郎のどっち?」

と聞いたなら、9割は駒太郎を選ぶんじゃないかな。よそ様から見りゃ、一生を通じ、みじめで不真面目でみすぼらしく、凄惨なエンディングだった熊太郎の人生なんてと考えるのが普通だ。
家庭を普通に大切にし、安定した一生を送っただろう駒太郎をチョイスする人が多いはず。

でも、飛び抜けた魂の自由度合いが全然熊太郎の方が高かった!!
一度きりしかない人生なんだから、面白い方がいいじゃん!!
と私は思った。

インフルエンザのお陰でこんな素敵な読書タイムが持ててありがたかった。(^-^)


尾木直樹×茂木健一郎 おぎ・もぎ対談 「個」育て論

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昨年、感覚統合の勉強会に出席した際に、講師の方から勧められて即購入して読んだ本である。
TVでもよくお見かけするお二人の(お顔が思い浮かぶので余計面白い)対談形式の本なので、とても読み易く、
「そうだ!そうだ!」
と、幾度も頭を激しく縦に振ってしまいたくなるような、箇所に幾度もぶち当たります!

今の日本の教育の根本的な間違いをビシッと指摘されていて、気持ちが良いことこのうえない。

例えば、
目次だけでもこんな感じ。

*「偏差値」「高校入試」は子どもの心           
      への傷害罪
*「ワンピース」の方がよっぽど道徳的
      だ
*できない子が抱く疑問こそ「知性」
相対評価は学校の「がん」
*均質集団の外側の世界に目を向けられ   
    ない若者たち

お二人の様な考えの方がもっともっとたくさん出てきて本気で教育改革に取り組んでくだされば、今の子供達の未来はずっと明るくなるだろうにと確信出来る、オススメの一冊だ。

バムとケロのにちようび 島田 ゆか

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私は学童の臨時指導員をしているので、仕事がら小学校低学年の子供達がどんな本を好んで読んでいるのか、毎日の現場で目にすることが出来ます。

今年の春に入ってきたばかりの可愛い新一年生女子に一番人気だったのが、このシリーズ!

前から気になっていたのですが、私も実際に読んでみて、すぐにこの本のファンになってしまいました!!

主人公のバムは兎に角優しくてなんでも出来る良い子、ケロちゃんはいたずらっ子でいつもしたい放題…二人(?)はとっても仲良しでいつも美味しい物を食べて、一仕事終えるとそれは気持ちよさそうに眠ってしまいます。
この子達の可愛いことといったら…

オススメの癒しの一冊です!
最近の子供達に不足しがちな心の栄養

    寛容        と        共感

をこの本は教えてくれます!f:id:haruna333:20140924092925j:plain

変わる家族 変わる食卓 岩村暢子

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😨ショックを受けました。と共に大いに反省しました。1960代生まれ以降の現代主婦の用意する食事のデータの定性分析の本です。
いまどきの主婦がきちんと食事を作らないなどという、手抜きを非難する本ではありません。あくまで、データを冷静に分析し、その結果が淡々と紹介されています。
とても細かく調べられ、また同じ主婦であり母である著者のとても事情を分かってる目線からのまとめがあります。

食事作りに携わっているあなた!
必見の書です!!!

ソロモンの偽証 第一部~三部


宮部みゆきさんには、いつも大変お世話になっています。といっても知り合いではなくて、宮部さんの本で色々助けられたからです。娘のハリーポッターの隣に彼女のハードカバーが狭い我が家のちいさなちいさな書棚にずらりと並べられています。江戸時代の人情物もちょー好きです。

ソロモンの偽証の第一部が本屋さんに並べられた時、待ってましたとばかりにすぐにレジに並び、気がつけば家事もそっちのけで夢中になって三日でこの厚さをクリアしました。ハリーポッターの続きを心待ちにして、本屋に駆けつけた私の長女よろしく、第二部が出るのが待ち遠しくて…本当に本当に楽しませていただきました。

本の好きな方ならこの気持ちきっとわかりますよね〜(≧∇≦)

ソロモンの偽証には、私の大好きな中学生が沢山登場してきます。皆感受性が豊かで、それぞれの個性があって、なかなか魅力的なキャラクターが次々登場します!話の展開に惹きつけられながらも、涙や笑いを誘う宮部みゆきさんならではの魅力がたっぷり詰まったこの一冊(三冊')!お勧めです!

お話はある中学生の男の子が屋上から飛び降りて亡くなっていたのが見つかるところから始まります。